散歩する惑星
高福祉国家スウェーデンからやってきたコミカルで不条理な笑い。
何なの?
次に何が起こるの?画面になにがでてくるの?
なんておもってるうちに映画が終わってしまった。
一体なんだったの?
リストラ、突然さされる人、キリストの銅像を売り歩くセールスマン。
ナチスの迫害を受けて死ぬロシア系ユダヤ人の亡霊などなど。
物語のあらすじはこうです。
映画は不条理な日常の連続からはじまります。
勤続三十年のサラリーマンは突然解雇。道で人探しをしていた男は突然刺される。手品師はマジックに失敗し、失笑をかうだけでなく実験台になってくれた観客の腹をきってしまう。
不条理が不条理をうむ毎日、この不思議な世界の住人たちがある日、この世界ではないどこかを求めて空港へ向うから道路が渋滞してどうしようもならない。
昼日中渋滞しどうし。
そんな世界の住人の一人カールはある日、自分の全財産を火災によってなくしてしまう。二人の息子もちの彼。長男のトーマスは元タクシー運転手。 人々の悩みを勤務中にきいてるうちに心の病をわずらうようになります。昔は美しい詩を書いていた息子は誰とも話さなくなってしまうのです。兄思いのやさし い弟シュテファンは兄にかわってタクシーを運転しながら義姉とその娘を助けます。話さなくなった息子をみるたびにいらつくカールは
あるひ教会に助けを請いにいくのですが、、、。
カールは彼の人生の救済をえることができるのでしょうか?
おそろしいほどのブラックユーモア満載。
北欧の監督ってこわいわ〜^^。
アキ監督などもそうなんだけど
一度好きになったらもう彼らの映画って中毒になるかもしれないですね。
しかも一切CG使用してないでのこの絵面ってのは、一体なんなのかしら?そして
独特の社会風刺。
散歩する惑星
それにしても以前みたアキ監督の過去のない男の色艶に画面全体がにてる。
全体が青白い(グリーンライトカラーなのよ!)のである。もう全員顔が血色悪くみえてしまう。シーンごとに出てくる人出てくる人がおかしいからもう、これはみていただくしかないのかもしれないですね。
話のおかしさというよりもビジュアルのおかしさが最初にきてしまうタイプの映画であります。
個人的には好きか嫌いかを問われると非常におもしろくみた映画ではあります。
まず、福祉国家として有名なスウェーデンの国が孕んでる現実問題。
なにかと老人問題や福祉の話になると理想国家としてとりあげられますが、
現実としては経済が停滞してる国なので、そんなに理想な暮らしがそこにあるとはおもえないんですよね〜。
切実な問題として税金問題が国民の肩に重くのしかかっていたりします。
映画の中でも、日焼けマシンの中からリストラを命令する社長。
そして次のシーンでは勤続三十年、一度も遅刻欠勤したことがない男がリストラされてしまいます。
これは現実の世界となんらかわらなく映りいやな感じすら覚えます。
そして出てくる登場人物がなんとも、北欧らしい顔の人たちであることはあるのですが、不健康な醜い人が多くでてきてびっくり。
逆をいうとハリウッド映画のように美男美女だけで作られてる映画とちがい、現実味があるといえばあるのですが、なんともどんよりした雰囲気です。
映画はペルーの詩人が書いたある詩を読んでいらいつくりたいとおもっていたもののようです。
詩を読んで普通の人への賛美歌のようだと監督はインタビューで答えています。
それを裏付けるかのように映画に使われる音楽が本当に美しいです。
この映画言葉で説明してるタイプのものではなく
映像と音楽なんですね。
この映画監督あるインタビューで救いようがないような現実でも
それが現実なのだから状況をうけとめて暮らすしかないといっています。
映画の中でラストちかくに、捨てられたキリスト像の山がでてきます。
宗教すら救いの価値がない現実も
すべてうけとめるしかないのでしょうかね〜。
シュールな笑いが好きなかたに。
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